改憲発議のため、衆参で三分の二以上の議員の賛成をさせて、それから国民投票するものと思われる。


 巨大与党が横暴な真似をする以上、日本の議会制民主主義は死んだも同然だった。


 俺も岩原が目指していた第三極の形成が、結局失敗に終わったことが、今考えると残念だったのである。


 だが、これから先、総理の福原はマスコミの餌食になるのだ。


 叩けば叩くだけ、ボロが出てくる。


 多分長くは持たない。


 任期満了でも三年後には衆院選があるのだ。


 そう考えると、今はじっと野党も堪えているような気がする。


 改革などと体のいいことを言って、実際ばら撒き同然のことをやる社自党はまた愛想を尽かされるのだ。


 それでいいのだった。


 岩原は、また与党へと復帰する新民党を思い描いているらしい。
< 301 / 328 >

この作品をシェア

pagetop