ただ、どうやら女性のようだった。


 しかも岩原や、元部下である俺に対し、敵対心を持っているような人間である。


 俺も気を付けていた。


 女の逆恨みほど怖いことはないからだ。


 そしてその人間が、内田優子であることが分かった。


 雑誌社から懲戒解雇され、不服があるのだろう。


 多分、はらわたが煮えくり返っているものと思われる。


 もちろん、武器を所持しているものと考えられた。


 おそらくダガーだろう。


 あれで突き刺せば、男性でも一撃でやられる。


 内田は記者失格なのだし、そういったことしか考え付かないバカ野郎だ。


 付けられている方の俺も警戒しているのだった。


 やられないように。
< 321 / 328 >

この作品をシェア

pagetop