スイートスキャンダル
「いや、そうしようかなって思ってただけで、まだちゃんと決めた訳じゃないのよ?」


「それも聞いてます。だから、これは相談なんですけど……」


真剣な表情になった柊君は、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。


心を射抜くような綺麗な瞳に、心臓が大きく跳ね上がる。


「一緒に住みませんか?」


「え?」


「将来を見据えた場所を探して遥さんと住めたらな、って思うんですけど……。嫌ですか?」


「え……?あ、あの……い……」


「まぁ、嫌なんて言わせませんけどね」


『嫌じゃない』と答えようとしたあたしよりも先に、柊君はニッコリと微笑んだ。


その強引さをずるいと思いながらも、心の中は幸せと喜びで溢れていく。


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