スイートスキャンダル
「一緒に住んだら、毎日一緒にお風呂に入りましょうね。もちろん、寝る時も同じベッドですよ?」


「え……?」


「楽しみだなぁ」


心底楽しそうな柊君に反して、あたしは不安でいっぱいになる。


元々“そういう事”に慣れていない上、恋愛関係がめっきりご無沙汰だった事が相俟って、今だってもういっぱいいっぱいだから…。


「まぁ、まずは今夜を楽しませて貰いますけどね」


目を小さく見開いたあたしの唇をスッと奪った柊君が、とてつもなく意地悪な笑みを浮かべた。


キスされたのだと気付いた瞬間、心拍数が跳ね上がる。


「可愛い」


柊君はあたしの耳を撫でるように低く囁いた後、口元をそっと緩めて満足げに笑った。


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