スイートスキャンダル
緊張でガチガチになっているあたしの体は、ベッドの上に縫い止められた。


「そんなに緊張する事ないのに」


「そ、そんな事言われても……」


恥ずかしさにも包まれた体は、力を抜く事すら出来ない。


固まったままでいると、柊君が自嘲気味に微苦笑を零した。


「でも……実は、俺も緊張してるんだ……」


「え?」


目を見開くと、柊君があたしの手を自分の胸元に持って行った。


服の上からでもわかるくらいドキドキと脈打つ心臓は、紛れも無く彼のもの。


「ね?」


そう言って笑った柊君は、ほんの少しだけあどけない顔をしている。


その表情に胸の奥が甘く締め付けられ、彼の首にゆっくりと手を回した。


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