スイートスキャンダル
「ここがいいの?」


「バカ……。せめてベッドにしてよ……」


「了解」


「それと、電気は絶対消してよね……」


「仕方ないなぁ」


柊君はクスクスと笑って、小さな子どもを宥めるように優しく言った。


「今日だけは、遥の言う事を聞いてあげるよ」


フワリと微笑む彼が、あたしの手を愛おしげに握り返して来た。


骨張った手は男らしくて、あたしを見つめる瞳に出会った頃のあどけなさは無い。


胸の奥が苦しいくらいに騒ぎ出して、全身が緊張に包まれていった。


「ベッドルームって、あそこ?」


無言のまま小さく頷くと、柔らかく微笑んだ柊君があたしの手を引いてベッドルームに向かった。


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