想 sougetu 月
 斎に触れようと手を伸ばしたとたん、その手を払われてしまった。

「斎……」

 嫌われたくないという想いに支配され、涙が溢れてくる。
 振り払われた手をまた斎に伸ばした。

 あと少しで触れるというところで逆に腕を掴まれ引っ張られ、テーブルの上に倒れこむ。

 テーブルにぶつけた肩に痛みが走る。
 その痛みに硬直してると、斎はスカートの中に手を入れていきなりショーツを引き下ろす。

「い、斎?」

 振り返ろうとしたとたん背中を押さえつけられ、斎がのしかかってきた。
 かすれた冷たい声が耳のそばで囁かれる。
 
「体だけなんだろ?」
「う……あっ!」

 金属音がしたかと思うと腰を抑えられ、いきなり下半身に痛みが走った。

 何の準備もない状態で、斎の楔が私の中に押し込まれる。
 最初ほど痛みはないが、それでも何の準備もなかった状態だったからか痛みがあった。

「くっ!」

 入れている斎も苦しそうな声がもれる。
 何の準備もない挿入には男性も痛みを感じるのだろうか?

 痛みを感じる一方でそんなことが思い浮かんだ。
 
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