想 sougetu 月
 痛みによって詰まった息をなんとか吐き出そうとしていると、突然斎が激しく動きだした。

 激しい動きの度にテーブルがガタガタと動く。
 振動でテーブルの上に乗っている料理が段々と隅の方へと移動していき、次々と下へ落ちていく。

 そんなことすら気にならないのか、斎は動きを止めようともしない。

「あっ……あ、あ、ああっ……」

 この数日で何度も覚えこまされた快楽が痛みを上回り、甘い声が出てしまう。

 テーブルに押し付けられ後ろから入れられているせいで、斎の顔を見ることが出来ない。
 怒っているのか、それとも他の表情を浮かべているのか確認したくても出来なかった。

 激しいながらも斎の動きは私が一番感じるように動いており、急速に追い詰められていく。

「ふぅ……あんっ」
「……うっ」
「あっ! もう……い……いっちゃう……」
「く……ああっ!」

 体が快楽でいっぱいになり、あと少し大きな刺激を与えられれば昇りつめてしまうって時だったのに、斎はいきなり先に登りつめ私の中から自分を引き抜いてしまった。
 中に感じていた圧迫感がなくなり、一気に熱が下がっていく。

 残ったのは快感の痺れと、あと少しでイけそうだったもどかしさ。
 
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