想 sougetu 月
「はぁ……はぁ……」

 上がった息を整えている斎を見ようと後ろを振り向こうとしたら、斎に肩を強く押さえつけられた。

「い、いたい……」
「……月子はしたいだろ?」

 意地の悪そうに言われた内容が真実だったので、顔が一気に赤くなる。

「入れて欲しいなら、俺に頼めばいい」
「なっ」

 その言葉で何もかもがわかった。
 私がイク前に斎はわざと先にイッたのだ。
 入れて欲しいと頼ませる為に。

 そんな恥ずかしいこといいたくないと思うのに、体の疼きは治まらない。
 
「ん、あっ……」

 言いたくない私の花芽を斎の指が触れる。

「言わないとずっとこのままだけどいいの?」
「ひっ!」

 突然優しい声に変わり、耳たぶを噛まれた。

「い……あ……あふぅ!」

 くちゅくちゅと水音をたてて、指が私の中に入ってあちらこちらを刺激し始める。

「んんっ!」
「中がうごめいてる……」

 言われなくても自分の中がどうなっているのか十分にわかるほど、1日に何度も体を繋げた。

 指じゃ物足りなくて苦しい。
 斎を欲しいという思いに支配されはじめていく。

「い……入れて……ほしい……」
「何を?」
「……斎のが欲しいの……」
「もっと言って?」

 斎を失いたくないという想いと欲求に負けて、私は言ったこともないような恥ずかしい言葉を繰り返した。
 
< 78 / 97 >

この作品をシェア

pagetop