想 sougetu 月
「ち、違う」
「違う?」
「あ、ん……。私も斎と同じ気持ちだよ。私も……、斎だけが世界で一番好き……。例え結婚できなくても!」

 好きだと言わないと決めたのに、これだけ深い想いを伝えてもらえたのだ。
 もう縛られてもいい。

「月子は俺と結婚したくないのかよ?」
「したいよ! ……でも私達はイトコ同士なんだよ? 出来るわけないじゃない……」

 結婚するなら相手は斎がいい。
 しかも、結婚したいかって聞かれたら答えなんて1つしかない。

『月ちゃん、知らないの? いとこ同士は結婚出来ないんだよ! 血がつながっていると『きんしんそうかん』って言って、法律で禁止されてるんだよ』

 あの時の言葉が甦ってくる。

 結婚出来ないからこれほど苦しんでるのに斎は無理なことをどうしてわざわざ聞くの?
 苦しくて涙がこみ上げてきた。

「ちょ、ちょっと待て?」
「ん?」
「お前、もしかしてイトコ同士は結婚出来ないと思ってる?」

 涙を拭いながら斎の質問に頷く。

 それを見た斎は大きく息を吐き出すと、その場に崩れるように座り込んだ。
 
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