あぁ・・・うちな

きっかけ


今日もうちは図書館に向かってた。


夏も過ぎてエアコンももういらんくなってきた。


制服もベストを着始める人がチラホラって感じや。



図書館に着くと、いつもの席へ向かう。


もちろんそこにいてるんはいつものあの人。



その人の肩を少し小突くと「おう」て一言が返ってくる。


勝利の横に座って、今日も勉強開始。

実は、少し前に進路相談の日があって先生にうちが看護に進むことを伝えた。


先生も喜んでくれて、一緒に頑張ろうて言うてくれた。


もちろん、勝利もこのことは・・・いや、知らず。


いまだにこのことを勝利に言えてへん。


いつかは言いたいとは思うねんけど、なかなか言うタイミングが見つからへん。


まさか、このうちが「勝利と同じ大学で看護の勉強とかしようと思てる」て言われへんやん。


なんて思われるかメッチャ不安やし。



と思いつつ、勉強を進めていく。


「なぁ」


ふと隣からかけられた声に振り向く。


「進路、決まってないのお前くらいちゃうん。」



季節は秋。


いや、もうAO入試とか終わってますもんね。


先生にも言われたよ。



「早く入試受けないと、行けるところ無くなるぞ」てね。


せやけど、今の学力やったらやっぱり難しい。


推薦、一般で受けるしかなさそう。


「俺、この前AO受けたけど。」




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