空からのメッセージ〜最愛のキミへ〜
待ち合わせである駅前の時計台に行くと、時計台に寄り掛かって待っている翔くんがいた。
いつもよりも大人っぽい姿の翔くんに私はドキドキしてしまった。
翔くんは私に気が付くと、満面の笑みで私に手を振ってきた。
「希美先輩!」
「ごめん、待った?」
「いえ、今来たところです!」
「…嘘つき。 手、こんなに冷たいじゃない!」
翔くんの手を握ると、氷のように冷たかった。
秋とはいえ、気温は低い。
こんなに冷たいなんて、いったいいつからここで待っていたんだろう。
「せ、先輩…// 」
あれっ…?
急に温かくなってきた。
翔くんを見ると分かりやすいくらいに顔が赤い。
「…先輩って、時々すごく大胆ですよね」
「えっ…? 今、何か言った?」
「何でもないです! それより、早く水族館に行きましょう!!」
あれっ、なんか誤魔化された…かな?
ま、いっか。
「うんっ!行こ」
まだ少し顔が赤い翔くんと、私は水族館へと向かった。