わたるんといっしょ
好美の肩に伸ばされた手が引く。先ほど、鋏で好美の髪を切ったらしく、胡弓の指に数本の髪が絡んでいた。
「アテクシの大好物が、おにゃのことショタ、そうして霊魂なんだけどん」
髪を口に含み、ガムを噛むように味わう胡弓が言いたいことなど――
「わた、し……」
「『何でもします』って、言ったよねぇ」
言った、言ったとも。
その『何でも』が――胡弓が自分に何を望むかも分かったけど。
「わたし……」
「だいじょーぶ、すぐには連れていかないよ。ちゃあんと、『渉くん』とお別れさせてあげるからぁ。ま、どのみち、アテクシが何もせずとも、好美ちゃん――」
耳を塞いでも聞こえてしまう。