わたるんといっしょ
「生命に意味を為す霊魂。“生きたいと思う心”は、存外にしぶといんだ。残ってしまう。死神がいくら、肉体から霊魂を切り離しても。“死んだ事実に気づいていないのだから、奴らはまた日常に帰ってくる”」
喉元の鋏が横へ。好美の髪をすくい、耳たぶに触れた。
「“死んだ人間しか救えない”、死神の戒めにして役割がこれなんだけど――カカカ、死神だって生きているんだ」
教師の真似事は飽きたか、胡弓は鋏を下ろし、好美に手を伸ばした。
「社会のルール守れない人間なんてざらだろうしぃ、アテクシも死神ルールに抗いたいタチなのよ。
生きていれば、誰だって悪いことをしたくなる。バレなきゃへいきモーマンターイ!あ、勘違いしないでねー、アテクシ、死神の仕事はきちんとやってますからぁ」