わたるんといっしょ
「結局、死ねないと分かっていたのに」
また飛び降りた。
自嘲する。頭を抱えてうつむいた。
飛び降りたならば必ず無事でも、たどり着く先は想定外。
「いやだな」
この世界は。
気持ち悪いモノは見慣れたつもりでも、匂いに関しては慣れない。
水と藻が絡み合った匂いはもとより、生臭さ。そうして薬品の刺激臭さえもして、匂いを発端に、ある記憶に結びつく。
『“浄め儀”をします』
傷つけられない体を浄めるために、水をかけられた記憶が呼び戻される。
「……」
幻だ、と頭を振っても、“あの人”の罵声が頭に響く。