わたるんといっしょ
「すみません……」
僕のせいで、壊れたあの人へ。
「すみません……っ」
こんな僕に優しくしてくれる人へ。
「すみません、僕――」
不幸になるのを望みますから、その不幸の分、どうかみんなは幸せになってほしい。
幻聴と妄想、この世界(負)に呑まれた渉の頭を女が掴む。
頭皮をむしるように掴もうとも、すぐに離したのは――渉の呪物が邪魔したからだったか。
『あなたのために』
さわりと感じたその気配に寒気立つ。
鼓膜を破らんばかりの哄笑すらも聞こえてきた。