わたるんといっしょ
「さあ、好美ちゃん準備はいいですカー?カカカ、いいに決まっているカァ。めくるめく、レズでビアァンな世界を、アテクシと堪能しちゃいましょうっ!」
社交ダンスの相手を誘うような口調でありながらも、その誘い方に品はない。
ついていってはいけない、怪しい大人の典型でも――好美は、渉から離れた。
「好美、さん……?」
遅れて立ち上がる渉が声をかけても、彼女は胡弓の手を取る。
「ごめん、渉くん」
「何が……」
「もう、一緒にいられないの」
「察せよ、渉くんんん!健気でおバカな好美ちゃんが、あなたのために身売りするってさーっ」
にいぃ、と口端を伸ばした胡弓の言葉で知る。
「まさか、僕のために……」