わたるんといっしょ


「え、なにぃ。管轄とか言っちゃうなら、死神の知り合いでもいるんですカー?いやいや、あり得ないカァ。だって死神は、基本、生きた人間には関われないからぁ」


そう言う胡弓が渉と関わっている時点で、“規則を破る死神”はいるんだと示唆しているようなものだった。


詐欺師のような口元には、こちらの情報を漏らさないのが吉かと、渉は“彼女”の名前を出さないことにした。


「あー、言いたくないならいいよぅ。その代わり、アテクシのことも内緒にしてちょーだい」


しー、と口元に人差し指を添えたさまは、これから悪いことでもするみたいだった。


好美が呼んだであろう死神。そうして、渉を助けた後の胡弓はやけに上機嫌だった。


鼻歌でも歌いそうな。ワルツでも踊るような女は、手を伸ばす。


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