わたるんといっしょ
「いい加減、全ての人が優しい信じる、砂糖コーティングされたてめえの頭にはうんざりだってえの!」
頭の痛みにうずくまる渉を無視し、どっちらとあぐらをかく藤馬。
「おら、客だぞ。茶ぁ出せ、茶っ」
「っっー、ちょっと待ってくださいよ」
涙目になるほど痛いんだからと、軽く文句を言っても、渉は知っている。
――照れ隠しなんだ。
藤馬に砂糖コーティングと言われた脳内で思う。
不器用なこの人は、きっとむず痒いだけなんだ。
家族という温かみに慣れていない。故に、今ひとつ、渉との接し方が横暴になるも。
「夕食作りますが、食べていきますか」
「あったりめーだ。油っぽいもん食いたいから、ああ、茄子の揚げびたしにしろ」
本当に怒るならば、顔も見たくないと出ていくに決まっている。