わたるんといっしょ
需要と供給も人がいるから成り立つわけで。
「だから僕を連れてきたんですか」
巻き込まれたのか、と脱力する。
「おう、どうだ、欲しいだろぅ?肋骨とセットで欲しいよなあぁ!」
「どっちもいりませんよ。余分なお金はないんです」
「ェアーン?んな話が通用すっと思ってんの?社会なめんな、おら、じゃんぷしてみぃ、じゃんぷ」
いつの時代のチンピラだ。
この場をどう乗りきるか考える最中、ふと、足音が聞こえた。
ザッザッ、と集団で歩くわりにはテンポの乱れはなし。軍隊の行進と同じ印象を受ける音だが。
「ぜんたーい、止まれっ!」
わたるんたちの前で横並びする男共。だいたいは、わたるんと同じ年齢か。隊長格に相応しい筋肉の合図で、足を開き、なおれの姿勢となった。