わたるんといっしょ
怖いと、ひたすらに思い。この空気に呑まれないとしたテレサは。
「害なす敵と見なします。【ソードダンサー】」
実を言えば、この恐怖に耐えきれなかっただけであった。
先手を打つ。
彼女得意の召喚術で呼び出すは、五つの剣。
“五本鋭利”(ソードダンサー)の無機質な召喚物であるが――
「……、え?」
理解、できなかった。
「なん……」
雨の中、テレサの前に現れたのは無機質な剣ではなく。
「こんばんは、先生」
黒い翼を生やした青年であった。
渉からしてみれば、テレサが出した召喚物であると思えど、その召喚師が困惑し、後退りしたことから違うと感じ取る。
「うそ……、わ、私はソードダンサーを……」
召喚したはずなのに。