わたるんといっしょ
(六)
「ごめんなさいねー。まさか、この水晶が原因だなんてー」
一件落着の翌日。
また改めて春夏秋冬家に来たテレサは、謝ることしかしていなかった。
玄関先で箱菓子を渡され、居間ではこうしてまた謝罪。
しかしながら、頬に手を添えるその仕草は『悪びれている』といった要素皆無にも見えた。
「いえ、大事には至りませんでしたし」
気にしないでくださいと、渉はお茶を出した。
テレサに、そうしてテレサの後ろで正座するブリュンにさえもお茶を淹れてしまう親切心だが、無論ながら、ブリュンは差し出されたお茶に手をつけなかった。
『わたるん、すまないが、私に飲食するという概念はないのだ。その厚意のみ、有り難く頂こう』