わたるんといっしょ


「そんな、僕も気が回らず、すみません」


三者で謝り大会してるなと、自覚する。この場に藤馬がいたら、せせら笑う場面でもあろうが。


「にしても、あの生意気な……こほん、あの包帯さん、何者なのー?」


昨晩のことを思い出したらしいテレサ。言い直しはしたものの、テレサの姿見て、『くせえっ』と言うのだから、そうも言いたくなるだろう。


他所もんの匂い。
それがテレサからすると、あの呪法師は早々に姿を消したわけだが――夕暮れになれば、茶飲みに来るんではないかと、渉は思っている。


「あの人は、僕の家族ですよ」


大切な、と言葉裏に潜ませた含みを持って答える。


呪法師だの、魔法使いだの、藤馬が冠する称号は幾つかあろうとも、この『家族』という言葉が、渉にとってしっくりくるものだった。


藤馬は、藤馬(家族)。


そんな人だと言う渉に、テレサは微笑んだ。


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