わたるんといっしょ


「ちゃむいー」


桃色ワンピースでは秋空はきついらしい。すぽんと、襟元から渉の服に潜り込み、顔だけを出す。


「あちゃちゃかーいっ」


巣もごりしているリスよろしく、わたるんの人肌温度にご満悦な妖精だった。


鎖骨の間がむず痒い気もするが、風邪を引いたら大変だとそのまま。今度、この妖精用の冬服を探すべきかとも考えた。


「にゃんか、こっちのそりゃは、おっきゃないねー」


曇天の空を言っているのは察する。


彼岸を過ぎてから一気に寒くなり、冬用の布団を出すほど、最近は曇り気味の天気だ。


「ピクシーさんのいる世界では、空はどんな色なんですか」


「ピンクー」


「またそれは……」


この世界に産まれて良かったと思える色だ。


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