わたるんといっしょ
「えっと、すみません」
「いえ……、はい。ウスラー、かぁ……」
絶望の淵に立たされたような哀愁漂わせつつも、男は涙を呑んで、頭を下げた。
「此度は、私の誤解で迷惑をおかけしてしまい、申し訳ないっ」
てっきり、ウスラーではないと主張する頭下げかと思えば、直角に曲がる腰は切実なる謝罪をしてきた。
自殺志願者だからと早とちりされ、殺されそうになる。何とも不可解なことではあるが、分かったならばいいと、渉は「気にしないでください」と言うしかなかった。
旋毛あたりが確かに薄いもんだから、ウスラー説も実証されたが、さておき。
「いえいえ、謝罪だけでなく、何かお詫びをっ。危うく私は、少年の命を奪うところでしたからっ」