わたるんといっしょ


飲まず食わずでも生きていけるのならば、今こうしてコーヒーを飲む川堀は、単なる嗜好品として味わっているに違いない。


人間と異なる体の作りであり、人間社会には溶け込めない死神であろうが、見た目だけでは五十鈴同様に、“人間”だと思わせる。


死神から除籍されたという、この男が、こうしていることに、何ら問題はないが。


「どうして、除籍なんかを……」


死神の名がなくなった川堀が、コーヒーを一口飲む。


「“生きた人間”に関わりました」


明瞭に、そんな理由だと言うものだから、渉の顔が青ざめた。


生きた人間に関わってはいけない。死神の戒めとして、それがあるとは知っていたが、除籍させられるほどの重罪とは思わなかった。


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