わたるんといっしょ


男がいなくなったと焦る店員は、すぐさま店長を呼ぶ。三つのテーブルを占領する手付かずの料理を見て、ため息つきながら、「一時間待っても戻ってこないなら片付けて」と指示をしていた。


会計を済ませてあっては、被害などない。風変わりで、マナーなっていない、食べ物の有り難みを知らぬ男だと、嫌悪するしかなかった。


客とて、「もったいないねぇ」「写真撮ってたし、ブログのネタにすんじゃね」「安価されたとか?」と男の話で持ちきりだった。


渉たちとてまた、変わった人だの、ピクシーが「ワタシがたべりゅっ」だの話す最中、川堀が唐突に言ったのだ。


「あの男の、生きざまというやつを見ましょうかねぇ」


かくして、渉たちは男の尾行につくのだが。


男の奇行は続く。


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