わたるんといっしょ


もはやこの男の奇行には目眩すらもしてきた。見るも追うも疲れるばかりであり、男がパチンコ店に入ったあたりで、川堀から「喫茶店で休みましょう」と提案があった。


いっそ、もうやめたいとも言いたいが、川堀が何を考えているかも知りたいために、付き合う。


「あっ、パパっ。クロいのがいりゅっ」


パチンコ店から遠退く際、ピクシーが指差したのは、飛び回る蝙蝠(こうもり)であった。


暗くなってきたとあって、活動するにせよ、街中で見かけるのは珍しい。


鳥のようにも思える蝙蝠を、つい物珍しく立ち見していた渉であったが。


「そう珍しいものでもないですが。人は、上を見て歩きませんからねぇ」


川堀の声で、蝙蝠から目を離したのだった。



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