わたるんといっしょ
「うっ、ちくしょおぉっ、持ってけ、どろぼー!」
地獄巡り勘弁な溝出の敗北。
おろろおおん、と泣くザコキャラを通りすぎて、おつかいを再開した。
「わたるんなんか、名探偵みたいー」
「小学生でもできますよ、これ」
と、取り出したメモ用紙は隅が破られていた。
「溝出さんじゃなければ、バレますよ」
主に筆跡で、と苦笑してみた。
「あ、骨にお金貰ってないっ」
∑(・ω・*)と気づく阿行に、もう無理ですねと言っておく。
「冬月君に連絡入れますから、きっと明日には全額返金されていますよ」
「そんなぁ……」
「そもそも、ファミチキ、ミクまん百個だなんて店頭にはないでしょうし、一個でいいじゃないですか。足りない分は、これから徐々に買っていけばいいですし」