わたるんといっしょ
眩しすぎるから、彼女が怖い。卑屈でしかない思考は、渉も経験済み。
こんな自分がいれば、彼女が濁るんじゃないかなんて。
「五十鈴さんは、優しすぎますからね」
そもそも、彼女が誰かを本気で嫌いになるわけもないのに、自己完結してしまった川堀にも、いつかは気づいてほしいと思う。
「先ほどから藪から棒だな。――ん?渉、服の中に虫、が」
「むぅー?」
あ、と思ってしまうが遅い。渉の襟元から顔を出す妖精と五十鈴の目が、ばっちり合った。
「な、なんだ、この小さいのは……!新種の虫かっ」
「チャーミンギュなワタシを、ムシだにゃんて、メがくしゃってるんぢゃにゃいのっ。こにょ……むみゅう」
考え込んだのは、得意の暴言――五十鈴への悪口が思い付かなかったのだろう。