わたるんといっしょ


表向きは、家まで帰るわたるんの警護だが、本音は『わたるんはんとイチャイチャしたい!』であるのは自明の理だ。


それでも冬月を突き放さない渉は優しさ属性を発揮しているのだろうが、今日は渉自らが冬月を呼び出した。


なんでも『相談したいことがある』と。


「電話越しのわたるんはん、やけに真面目やったわぁ。ついに僕との結婚を考えてくれたんやろねぇ。兄さんや姉さんとも一緒やから、外国で籍を入れるために、日取りとか資金とか、これからの生活とか――ああぁっ、もうっ、わたるんはん!そない心配しなくても、僕が全部してあげるのに!」


「誰かこの妄想野郎を止めてーっ!」


ハイテンションふゆっきーに足蹴にされる溝出。頭蓋骨に蜘蛛の巣ができたところで、渉が冬月を迎えに来た。


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