わたるんといっしょ


「冬月くん」


「わたるんはん、外国でも式は和装が――」


「学ランふゆっきーだー」


( ̄∀ ̄)と顔文字お面を渉の背中から覗かせた阿行のせいで、溝出の頭蓋骨割れた。


「まあだ、僕のわたるんはんにアルカディア押し付けるか!」


「つるぺたふゆっきー」


「つぅ、山女が!その脂肪の塊、切り落とすぞ!」


男子諸君が『やめてえぇ!』と雄叫びをあげる一秒前、渉が間に入る。


「あ、あの落ち着いてください。今日は大事な話が……あまり人に聞かれたくないので、屋上まで来て頂けますか」


この惨事に天神生徒が各々の教室で避難している今、屋上ならば人もいないだろうと誘う渉に冬月は頷く。


「分かったわぁ、わたるんはん。そこで将来について語りましょ」


阿行に対抗するように、渉と腕組みをする冬月。


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