わたるんといっしょ
「ば、ばっきゃろおぉっ、どこ見てやがるんだ、このほも――って、俺に下半身はねええぇ!」
「いや、『大事な部分が』というわけでなく、人間装うにはまず骨部分を隠さなきゃ、丸分かりですよ」
「うっせえぇ!予算の都合なんだよっ、大人の事情だ、ばろーめ、てやんでぃ!俺の肉になってくれるキム〇クを絶賛募集中だ、ごるあぁ!」
キム〇クは一人しかいないくせに、上半身のみの骸骨妖怪が人様装うのが間違っている。
「溝出さん、すみませんが。僕、急いでますので」
構ってられないと進むわたるんの腕を、溝出が掴む。
「ちょっ、待てよ!」
「……」
「すんませんんんっ、似てないものまねしたのは謝るから、んな冷ややかな眼差し向けんな、しぶがきゃあぁ!」