わたるんといっしょ
大馬鹿と言う口が閉じた時でもあった。
なんて陳腐。されど、そんなことも忘れてしまった自身がより滑稽に思えた。
どんな人種でも安心して迎えられる居場所。悪い奴がいないわけではないのに、それでもあったかい――みんなが大好きな居場所なんだ。
「こんなこと、もうやめてっ!」
大好きな場所には似つかわしくない光景。惨事によって呑まれた日常を阿行は求め――
「くっ、うぁ……!」
虚ろな瞳に力が宿った。
「た、隊長!」
「おぉ、我らが阿行さんの純真無垢な心によって、生徒の心が蘇っていく」
「ぐわああぁ!」
生徒の手からナイフが落ちる。頭を抱え膝をついた生徒はそのまま意識を失い、阿行は別の生徒に飛び移る。