わたるんといっしょ
殺意を浮き彫りにした犬童を遮る影。我が目を疑った。
「ばっ……!」
ナイフを持った生徒の背におぶさる阿行は、そうとしか言えないし。
「や、やめてよーっ。天神学園じゃ、傷つけたりしちゃいけないんだよっ」
未だそんなことを言う阿行は大馬鹿と言えよう。
天神学園では命のやり取りを禁ず。誰もが知っている校則だが。
「馬鹿牛っ!操られている奴に言ったって分かるわきゃねえだろうがぁっ!」
背にいる阿行を振りほどこうと暴れる生徒。話し合いが通じる相手ではないのは、虚ろな目が物語っているだろうに。
「傷つけちゃダメ!みんな仲良くしなきゃ!人間も妖怪も悪魔も怪異も!“ここ”はそんな、あったかい場所なんだよっ!」