わたるんといっしょ


――


どこで左腕を折ったのだろう。


何で脇腹に傷を作ったのだろう。


筋肉が軋む、喉が枯渇し、舌は血の味しかせず、四肢は凍てつくくせして、頭は高熱。


倒れてもおかしくない死に体。――ああでも。


「痛くない痛くない、痛くないっ!わたるんはんのためなら痛くないっ!大好きな人のために動けるのに倒れていられるか、動かずにいてどうする……!

痛くない痛くない、痛いけど痛くないっ!わたるんはんのために生きていられると実感できるんなら、いいっ!

わたるんはんのため、わたるんはんの、わたるんはん――渉のっ、渉のために僕は、あははははぁ!」


死に体から悪鬼へ。
頭で愛しい人の喜ぶ顔を想像しながら、右手は襲いかかる触手を斬り伏せる。


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