わたるんといっしょ


振り上げられた刀は迷いなく誠一郎の首を切るであろう。


やめての声は届かない。体を張って止めれば、冬月が激昂するのは目に見えている。


全ては渉のため。


――僕のせいで。


「つぅ……!」


悪い癖が出てきた頭を振る。


僕のせいでなく、僕のために動いてくれる冬月くん。いつもそうだ、愛しい人だからと重い愛情表現をされても、冬月が友人には変わりなく――そう思うなり自然と、腹から声(本音)が出せた。


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