わたるんといっしょ
時が、止まった。
言葉のあやにせよ、誠一郎は場違いな言葉で呆気にとられ、冬月は振り下げた刀を不自然な形で止める。
制止した時、かちゃんと床に落とされた蜘蛛切の音が秒針代わりとなる。
「わ、わたるんはん、い、今……」
わなわなと体を震わせ、渉を見る冬月は、今まで見たこともない形容しがたい顔をしていた。
「大好きです、冬月くん。そんなになるまで僕を守ってくれて。冬月くんがいなきゃ、僕は汚泥に呑まれていました」
「あ、当たり前のことを、僕はしただけやで……?」
「それでも冬月くんが僕の大切な友人(ひと)には変わりありませんよ」
知ってか知らずかと言えば無意識だが、友人を『人』と言ったものだから、冬月は別の意味でその言葉を捉える。
大切な恋人(ひと)、と――