わたるんといっしょ


手当たり次第。
他に術はないのだから、致し方がない。


桐の箱から出てくるのは藁人形。首がひしゃげ、腕がもがれ、足が千切れた人形で――総じて、釘が打たれていた。


ちがうちがうちがう、落ち着きが焦燥となるのは声が“大きくなっているから”だ。


近づいている。
そこまで、足音が聞こえてしまうほど。


「呪わせて、呪わせて」

じゃりじゃりが、ぺたぺたと、地面から参道を素足で歩く音に。


「呪わせて、呪わせて」


ぺたぺたから、ぎしぎしと、廃れた本殿に踏み入れた音へ。


< 444 / 454 >

この作品をシェア

pagetop