わたるんといっしょ


だからこそ、“開いたのだからゾッとした”。


春夏秋冬家ではない。門扉向こうには何の面白みもない狭い廊下となっているはずなのに、有るべき形としての“がらんどう”を目にした。


木彫りのご神体が飾られた八畳ほど本殿内部。神聖な場所のはずが、廃れが薄気味悪さへと印象を変えてしまう。


生臭さで咳き込み、外気を吸いたくなるが――女の声で扉を閉める。鍵はない、つっかえ棒でさえも。


袋の鼠に違いないが、“室内でもカラカラ回る風車”が渉の気持ちを落ち着かせる。


釘のない、藁人形。

呟き、ご神体周りに置かれた桐の箱を見る。


乱雑に置かれたそれらは、口で数えるには飽きてしまう数。膝をつき、渉は手当たり次第に桐の箱を開けていった。


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