わたるんといっしょ
「っ……!」
振り向いたことに後悔した。
目を見ただけで恐怖する女が、すぐ真後ろに。
ただひたすらに相手を呪う視線は呪縛の縄。
掠れた悲鳴が上がる。床にはまだ、開けられていない桐の箱があるのに、指先すらも動かない。
金づちが振り上げられる――打たれた。
助動作があれば、結果は自明の理。当たり前の腕の動きは渉の足を打った。
「ぎ――っ」
夢と現実が交わる。
激痛で気がふれた。
逃げようにも打たれた足には、釘が刺さっている。
「呪われろ」
“藁人形を見つけた女”の呪詛。
逃げられぬように釘を打つ。
最初は右、そうして残るは左。
都市伝説通りならば、殺されるのは七日目(明日)。今に死ぬことはないが。