わたるんといっしょ
(三)
「おっきろや、タコ助ええぇ!」
などと、腹を蹴飛ばされた渉だった。
吐き気必須な目覚まし時計、寝ぼけからてっきり犬童かと思えば。
「クソガキ、俺の風車抜きやがったな、ド畜生!おかげでまた、一からやり直しじゃねえかっ!」
長身痩躯。夏だろうが着物に羽織、目には包帯厚巻きの暑苦しい藤馬が立っていた。
「とう、ま、さ……いたっ」
前髪を掴まれ、顎が斜め上を向く。
「さっさと目え覚めろや。夏休みに昼夜逆転してんようなら奥さまに言っちまうぜぇ?」
「それは藤馬さんもおな――く、苦しいですっ」
畳に叩きつけられ二重苦を味わう渉だが。
「あれ?」
畳?と自身が部屋にいることを知る。