わたるんといっしょ
「そんなシビアな顔する現代っ子に朗報ですっ。ただ今、お試しキャンペーン実施中っ。人間さまにも、我らがNOM局放送にハマってもらうため、特別に一週間貸し出しているんですよっ。どうですどうです、どぅおぉでぇすっ!魅力的なお話でしょうっ」
藤馬がこの分福をあしらいたい気持ちが分かった。
セールスマンのようにしつこい。ノーと言える日本人になりたいものだが。
「じゃあ……」
お試し。キャンペーン。の言葉に弱いのも日本人の特徴だった。
「さすがはわたるんさんっ、話が分かるっ。明後日の午後7時には、今日のインタビューも出ますんでっ。わたるんさんの華々しいテレビデビューですよっ。モザイクなんてなんぼのもんじゃいっ」
「いえ、顔出しはちょっと……」
「もんっ、人間さまは恥ずかしがりやなんですからんっ。まー、いいでしょうっ。ではでは、あっしはこれにて失礼いたしますっ。NOM局、NOM局を、今後ともごひーきにぃっ」