わたるんといっしょ
長い髪に、高い身長。猫背が酷く、俯いたままの顔。
格好こそは違えど、気味の悪さは同じだ。
白いワンピースに裸足。真冬には不釣り合いな格好でも、女は歩く。
ずず、ずず、ず――
そうやって、右手で大きな“何か”を引き摺っていた。
小さい子がぬいぐるみでも引き摺るように。女もまた、事も無げに、命ないそれを弄ぶ。
荒れた禿げ地に轍を残して、どす黒いそれを引きずり回していた。
どす黒いモノ。
使い古されたサンドバックのようであっても。
「ひ、と……」
引き摺り易いよう、女の右手に絡み付く黒い髪で、そのサンドバックの正体を知る。
「わた、渉くん……っ」
腰が抜けたわけではないが、立てる力が出ない好美は座ったまま、渉の足を掴んだ。