わたるんといっしょ
「大丈夫ですよ」
「で、も、ひきこさんの対処法なんて……!」
口裂け女にはべっこうアメを、メリーさんを後ろに立たせたくないならば壁に背をつけろ、と都市伝説には必ず対処法が存在するわけだが、好美はひきこさんの対処法を知らなかった。
それに渉は何か言いたげだったが、「聞いてなかったんですものね」と真に言いたいことを呑み込んだ。
「ひきこさんですが、そのルーツは二通りあります。一つはいじめられた女の子。先生に贔屓されたからとかで、それを良く思わない同級生が、『そんなに贔屓されたいなら、引いてやる』と彼女を引き摺り回したとか」
「なに、それ……」
その幼稚さに絶句しそうになるも、いじめの悪質さを好美は知っている。
ある日突然、何もしていないのに、無視された。