わたるんといっしょ


「そのいじめられた女の子が成長して、復讐を始めた。引き摺り回した子供を同じ目に。そうして、いじめっ子自体を憎むようになった。

この一つ目のルーツならば、ひきこさんは『いじめられっ子』を引き摺りません。残虐な怪異ですが、それは特定の人に対して甘くできている。『自分と同じ名前の子は見逃す』のもまた然り。

ああ、いじめられた思い出を引き出して、ひきこさんが逃げ出す方法もありましたね。『ひきこさんをいじめた子の名前を出す』、『引っ張るぞと脅す』。

残虐ですが、その分、精神的に弱いんでしょうね」


件の怪異は、なおも好美の視界を通りすぎている。


こちらに気づいているかは言うまでもなく、ひきこさんは折り返して、何度も好美たちの前を通り過ぎる。


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