黄昏バラッド


***


それからサクはまた歌うようになった。

いつものように中央公園にも行くし、たまに鼻唄だって歌ってる。

私にとってそれは嬉しいことだけど、ひとつだけ問題が……。


「おい、あいつの居場所教えろよ」

問題の原因は尚さん。


私とサクが知り合いだと知った尚さんは前よりさらにサンセットに来るようになった。

そしていつも私にサクの居場所を聞いてくる。


「……知ってどうするんですか?」

「一発ぶん殴るんだよ」

だから、教えられないんだってば。


私がサクは歌ってるなんて言っちゃったのが原因なんだけど、私だってできれば鉄さんや尚さんとまた仲良くして欲しいよ。

でもそれをサクが望んでいたらとっくに会いに行ってるはず。

それが分かってるから鉄さんだってサクの居場所を私に聞かなかったんだろうし。


「俺は色んなことにイライラしてんだよ。とくに鉄。お前にもな」

なぜか尚さんの怒りは鉄さんへ。


鉄さんは尚さんの性格を理解してるのか意外と冷静で、尚さんがサンセットに来ても前みたいに帰れとは言わなくなった。

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