【完】運命は罠と共に
「じゃあ呼ばせてやるよ」


顔を上げると、怪しく笑う彼がいた。


これは……危険?


時すでに遅し。

あっという間に抱えあげられていた。


困った。

非常に困った。


そして、急激に近づいた田中さんとの距離にドキドキしてしまった。





「こんな状況でも俺のこと煽る気?いい度胸だね」


「…ぁ…煽ってなんか……な…い……」


あー、もう。

耳元でしゃべらないで。


3ヶ月で身体に教え込まれたんだ。


この素晴らしく色気を纏った声と表情は危険だという事を。


だって、怖いくらいの快楽を与えられ、閉ざしている私の心までも丸裸にしていくんだ。





「そういう抵抗も逆効果だって知ってる?」


そんなことない。そう言おうとしてけれど、そんな間は与えられることはなかった。


寝室らしき部屋に連れていかれ、ベッドの上に落とされた。


「……痛っ…田中さん?」


「もう黙って。とういかしゃべる余裕なんてなくさせてあげるから」


それじゃ本末転倒なんじゃ?って事は言える雰囲気じゃないよね。


と呑気に考えられたのも最初だけだった。



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