私を壊して そしてキスして

「痛ッ」


激しい頭痛に顔を歪めながら、目を覚ます。
もう、この頭痛も最近では日常茶飯事だ。

少し胃がもたれている感じがして、飲み会の事を思い出した。



あっ……。

暗闇に慣れてきた目が、見知らぬ部屋を映し出す。


「起きたのか?」

誰もいないと思っていた私は、その声にビクッと震えてしまった。


「柳瀬、さん。ここは……」

「水、飲むか?」


そう言って差し出してくれたミネラルウォーターを一口飲むと、その冷たい感覚が、喉から胃まで降りていくのが分かった。



「お前ん家、分からなくてさ。って、口実だけど」

「えっ?」


窓際にいる柳瀬さんが、ゆっくりタバコに火をつけて、それを大きく吸い込んで吐き出す。


「あっ、お前タバコ嫌だったな。ごめん」


何でそんなこと知ってるんだろう。
そういえば、私の前で彼がタバコを吸ったのは初めてかもしれない。



< 10 / 372 >

この作品をシェア

pagetop