私を壊して そしてキスして
「決まったのか?」
翔梧さんが帰ってきて採用を伝えると、驚いた顔をしている。
「はい。早速明日から行きます」
「明日? ずいぶん急だな」
酷く驚いた声を上げた彼。
無理もない。
私だって、こんなにとんとん拍子で話が進むなんて思ってもいなかったからだ。
会社のことに聞かれた私は、知っている範囲で業務内容を話すと、私が同じ業界を選んだことを知った彼は、満足そうにうんうんと頷いてくれた。
そして、私の頭をポンと叩いて、祝福してくれているようだ。
「無理するなよ」
「わかってます」
まだ体は本調子でないことは、自分でよくわかっている。
翔梧さんの言うことを聞いて、できる範囲で頑張ろう。